銅マリア観音坐像

銅マリア観音坐像

価格(消費税込)

¥500,000

室町後期~江戸初期
約9×5.3×4㎝(高さ×幅×奥行)

手のひらに収まる小さな観音座像です。

フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝え、当時の大名や名士をはじめとした多くの人がキリスト教に帰依しました。やがて禁教の時代を迎え、厳しい弾圧の下で隠れキリシタンと呼ばれた信者たちが明治まで幾世紀にわたり信仰を守り続けたことは周知のとおりです。禁教の時代は白衣観音をマリア像に見立て祈りの対象としていたと伝えられています。

全身を覆う衣の繊細な襞の造形が見事で、頭から被ったベールがたおやかに腰まで流れ落ちています。
手は長い袖口にくるまれたまま前で組まれており、胸に掛けている首飾りがロザリオのようにも見えます。
正面を向いた顔はやや下膨れでふっくらとしており、額からまっすぐに降りた鼻筋が品格を醸し出しています。弓なりの細い眉は、少し膨らんだ瞼に沿って弧を描いて伸び閉じた切れ長の目尻と繋がり優美な顔立ちを更に引き立たせています。
後ろ姿は、小さな肩と豊かな腰の膨らみが見てとれリアリズムを感じさせます。

人の手が触ったせいか、表面はつるつるしておりアンバー色が少し変色してグラデーションのようになっています。
大きさから、着物の袖か懐中に入れて大事に身につけていたのかもしれません。

底を見ると詰め物がしてあります。
小さいながらしっかりした重さがあります。

明治の世になり日本でキリスト教者が発見されたことはバチカンをはじめ世界を驚かせました。
長い時を経て受け継がれた人々の祈りのかたちが掌に。
静かな感動を感じさせる優美なお品です。

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