日常と制作の境界を問う—
「藝術と生活の境界」タナベルンの絵画実践
キリムにはパワーがあると信じています。遊牧民の誇り高い民族アイデンティティがプライドを込めて織り込まれていること。大切な家族への愛情や大切なものを守るための祈りが織り込まれていること。神への厚い信仰心を織り込んでいることを考えればパワーが織り込まれているのは当然かもしれません。かのフロイトもキリムや絨毯の持つエネルギーを認めていたようで、精神科のカウンセリングの部屋には壁一面にキリムや絨毯が貼られていたといいます。
酒井 忠宣
《アイマック族キリム ソフレ / 20世紀中期 / 143×121㎝ / 綾織・平織》
《イラン セネ キリム/ 19世紀後期~20世紀前期 / 145×107㎝ / 平織》
トライバルラグは、インド北部からアフガニスタン、トルクメニスタン、トルコにかけての広大な地域で遊牧生活を営む部族民によって織られてきた伝統的な織物です。これらは商業目的で作られたものではなく、敷物、間仕切り、収納袋として、遊牧民の暮らしに欠かせない実用品として大切に織り継がれてきたもので、厳しい自然環境でのテント生活における必然性から生まれました。
©佐藤佳乃子
1987年 30歳の時に偶然、都内の街中のバーゲン会場で見つけたキリムを衝動買いする。 以来、キリムの魅力に取りつかれ収集を始める。
2017年 60歳で会社を定年退職。
それまで収集したコレクションを展示販売するキリム展を本格的に始める。
2018年 念願のイランへの渡航を実現。キリム生産の本場を訪ねる。
自由が丘のキリム店にて常設展を始める。
以降、各地にて定期的にキリム展を開催。
【主な個展】
2025 「反復:B」 iGallery DC/山梨
2024 「反復:A」 Gallery U2/目黒
2023 画廊からの発言 -新世代への視点2023「#多分風景」 藍画廊/銀座
2020 「タナベルン展」 iGallery DC/山梨
2020 「#風景」 藍画廊/銀座
2019 「タナベルン展」 藍画廊/銀座
【イベント】「海と山と、それから」参加アーティストによるトークイベント[予約制]
テーマ :風景について
参加アーティスト:稲垣美侑、タナベルン、山浦のどか 11月1日(土)18:30~20:00
会場;HUG FOR_.(鎌倉市由比ガ浜1-1-29 今小路ビル2F