喜夛河信介のスケッチブック 2026年4月9日(木)~21日(火)
日曜画家のプライベート作品に光を当てる「個人的な居所としてのアート」シリーズ 第2回

「喜夛河信介のスケッチブック」展

「個人的な居所としてのアート」

 絵を描くことは、その人が世界をどう見ていたかを示すもっとも正直な記録です。
Quadrivium Ostiumでは、世に埋もれた日曜画家のプライベート作品に光を当てる新しい試みとして「個人的な居所としてのアート」をテーマに展覧会を開催しています。
 世の中には商業的な目的ではなく、趣味や個人的な情熱の表現として絵画を描かれる方が多くいらっしゃいます。
そのような作品のほとんどは、一般に公開されることもなく世に埋もれています。
作者がお亡くなりになれば、美術館に寄贈することもなく、処分されるかご遺族の手元に置かれたままとなっているのが現状です。
当ギャラリーではそのような故人の作品の中から芸術的価値が高いと思われる作品を発掘し、世に公開することで新たに光を当てる試みをしています。社会にとっては新たなアーティストの発見の機会となり、ご遺族にとっては故人の想いや作家性の再発見の機会をもたらします。  また、芸術面においては、商業目的や投機目的とは無縁の、そもそも他人に鑑賞されることを想定していない極めて個人的な目的で生み出されたアートを展示することで、作者の情熱と鑑賞者である他者の共感が交わる体験を通して、人間本来に由来する「アートとは何か」をあらためて問いかけます。

七ヶ浜ヨットハーバー 仙台 / H200×W290mm / 水彩、鉛筆、紙 / 2016年 
東京駅 丸の内 / H200×W290mm / 水彩、鉛筆、紙 / 2017年
「喜夛河信介のスケッチブック」展について

 シリーズの第1回展覧会「風景画家・岩﨑恒男『彼方へ』展」(2023年11月30日(木)~12月12日(火)開催)は200名を超える来館者を迎え大きな反響をよびました。  
 そして、このたび、ご縁をいただき、シリーズ第2回となる「喜夛河信介のスケッチブック」展を開催いたします。
 喜夛河信介氏は、1945年大阪に生まれ、京都大学で土木工学を学んだ後、建設省(現・国土交通省)に入省。高度経済成長の波に乗り、沖縄、タイ、愛媛、鳥取——国内外を転々としながら、橋をつくり、道路を通し、人々の暮らしを支えるインフラの最前線に立ち続けた人物です。そして、仕事に邁進する傍ら、ずっと絵を描き続けてきました。
 退職後、スケッチは趣味の一つになり、やがて銀座や大阪の画廊で個展を開くほどになりますが、最後までプロではなく日曜画家として作品を発表し続けました。

 作品は、橋梁、線路、建造物の大胆な構図が特長で、構造物と向き合ってきた人間が捉える風景には空間への独特にまなざしが見られます。各地を巡る旅人の好奇心がもたらすおおらかな画風には、漁師町の路地裏や下町の生活風景など暮らしそのものへの静かな愛着が滲んでいます。展示している額のほとんどは、喜夛河氏が自ら木工で仕立てたものです。手造りの歪みや色むらもまた作品の一部です。
 2023年8月、喜夛河信介氏は78歳で旅立ちました。
亡くなった後も自分の絵がこうして人目に触れることは想像していなかったかもしれません。
売ることも評価されることも目的としない純粋な眼差し。
芸術とは何か。描くとはどういうことか。答えはおそらく、この小さなスケッチブックの中にあります。
(喜夛河信介氏の紹介文は、ご遺族のご協力をもとに作成いたしました)

喜夛河 信介 / きたがわ しんすけ

1945年 大阪市生まれ
1961年 大阪府立高津高校に入学
1964年 京都大学土木工学入学~同大学院卒業
1970年 建設省入省沖縄県、タイバンコク、愛媛県、和歌山県、埼玉県、鳥取県へ赴任
2003年 八千代エンジニアリング株式会社 入社
2011年 同 退職
2023年 8月14日 千葉県柏市にて永眠 (78才)

【近年の個展】
2020 「五月女寛 展」 エッケプンクト/東京・九品仏
     「五月女寛 陶展」 hal/静岡・沼津
2021  「主人公」 SPIRAL/東京・青山
     「五月女寛 作品展 陶と墨象」 花と休息wakamatsu/長野・木曽奈良井宿
2022  「五月女寛 陳量 二人展」 信州高遠美術館/長野・伊那
2023  「五月女寛 展」CAFÈ LA RUCHE gallery/大分・湯布院
     「五月女寛×尹 韻雅 展 鑿池 明月入」中町蔵シック館/長野・松本
2025  「五月女寛 作品展」ルーサイトギャラリー油屋/長野・追分
     「五月女寛+神藤啓介 展 ~山波~」ギャラリーワッツ/東京・青山

©佐藤佳乃子

【開催概要】
2026.3.7(土)~22(日)11:00~17:00
休廊:3.10(火)、11(水)、12(木)、16(月)、17(火)、18(水)

作家在廊:3.7(土)、8(日)、20(金・祝)、21(土)、22(日)

株式会社Quadrivium
〒248-0003 神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32
Tel:080-5430-6641 (黒田)  Mail:s.kuroda@quadriviumostium.com

<タナベルン 過ごす>― 展覧会概要―
開催期間:11月1日(土)~11月23日(日)まで
休廊日:毎週 月曜・火曜
営業時間:11:00~18:00
予約:不要
入館料:無料

株式会社Quadrivium
〒248-0003 神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32
Tel:080-5430-6641 (黒田)
Mail:s.kuroda@quadriviumostium.com
【展覧会期間中:予約不要・展覧会期間以外は予約制】
水曜定休・ほか不定休 営業時間 11:00〜17:00

© Quadrivium Ostium
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